あの娘は泣く、消えたカナリヤの所為
何もない1日なんだけど、
最近ふと昔を振り返ることが多い。
昨日は、妹がこんなに成長したんだって感じた。
夜のスーパーで買い物してたら、パステルに近いむらさき色のジャージを着た小さな女の子。
こちらをずーっと見ていた。
私にはまるで隣にいるはずの妹が
向こうからジーっと見ているように思えた。
どこか悲しげで神秘的な視線を投げかけてくる。でもつくりものじゃなく、まだなにも知らないだけの恐怖と好奇心からくる眼差しなことも今だからわかる。
隣にいる妹は大人になりかけ、全てに迷い、なにかを欲求し続けているんじゃないかと思います。
辛いだろうな。
苦しいだろう。
でも、見守る事しか私には力が無い。
そんな中で向こうから見ている彼女は、
私たちに何を思って見ているんだろう。
スーパーの出口を駐車場へ向かい出て行く私は1度だけ振り返ってみた。
彼女は大人になりかけの妹をずっと見ていた。私の妹の背中を押してくれた気がした。